小説

作者:薬丸岳出版社/メーカー:講談社 第51回江戸川乱歩賞受賞作。 文章はしっかりしているけど、とても地味。最初の十ページ程度は読者を作品に引き込むため気を遣って書かれているけれどもそれだけ。けれどもこの小説には素晴らしい点がある。構成が桁外れ…

GOSICK(5)

作者:桜庭一樹出版社/メーカー:富士見書房 トリックについては、これまで同様、大昔の子供向けミステリを読んでいるような気持ちにさせられる使い古されたネタ。だがこの小説はミステリといよりも、時代に流されて生きてきた人々のしがらみと、久城一弥と…

夏と花火と私の死体

作者:乙一出版社/メーカー:集英社 もう何度読んだかわからない。年に数回は読み返す。そして読む度に新しい発見がある。GOTHもいいけど、個人的には乙一の作品の中ではデビュー作である本作が一番好き。間接誘導などの心理学的な効果をうまく用いた描写や…

ROOM NO.1301#7 シーナはサーカスティック?

作者:新井輝出版社/メーカー:富士見書房 三人称のように見えて実は一人称というちょっと変わった文体は相変わらず。「ック」で終わる副題も相変わらず。地の文が極端に少なく会話を中心にして話が進んでゆくのも今まで通り。そして、お約束のように今回も…

半落ち

やってしまった orz 小説を読む前に最後のページ。ISBNとか、発行者とか、刷年月日とか著者略歴が載っているページを眺めてから読み始めたのですが。そこの余白に「※2005年9月現在、〜」とかいう注釈がありました。その時は単に昔と今で状況が変わったから注…

半落ち

今更ですが「半落ち」を読んでる最中です。現在最初の章を読み終えた段階。 これほど臨場感のある小説というのも珍しいのではないでしょうか。 面白いのはこの最初の章において読者を引き込むために、暗示によるトランス状態への誘導が用いられており、それ…

夜市

作者:恒川光太郎出版社/メーカー:角川書店 赤地から黒へのグラデーションと緑色の藻を背景に金魚、白い文字という目立つ表紙に誘われて手に取ってみた。 掲載作品は「夜市」と「風の古道」の二作。 夜市は日本ホラー小説大賞を受賞した作品らしい。ホラー…