半落ち

 やってしまった orz
 小説を読む前に最後のページ。ISBNとか、発行者とか、刷年月日とか著者略歴が載っているページを眺めてから読み始めたのですが。そこの余白に「※2005年9月現在、〜」とかいう注釈がありました。その時は単に昔と今で状況が変わったから注釈があるんだろうくらいに思っていたのです。でもそれを見てしまっていたため、早いうちにこの小説の一番の謎に気付く羽目に。たぶんこの謎もこの本の一つの魅力だったのだろうに。悲しすぎる。
 頼むからネタバレに繋がりかねない注釈は、本文の謎を解き明かしたページ辺りに入れて欲しい。いやまじで。
 あんな場所にあると思わず目に入ってしまいますので。お願いします>講談社さん。
 まあ、済んだことは置いておいて。この小説のもう一つの楽しみは、登場人物達の心が仕事に対する姿勢や人を想う気持ち、社会あるいは組織の間で揺れ動くところにあるのでしょう。現実社会においても、自己の仕事に対するプライドを押し通そうとしても押し通せないことは多々あるわけで、この小説では登場人物の心の葛藤をうまく描いています。
 後半に入るとそのあたりの描写がいまひとつで、ちょっと失速しますが、最終章では再びきっちりと盛り上げてくれます。
 注釈に気付かなければあと星+0.5〜1くらいの評価になっていたかもしれません。