まちがい電話? 新手の詐欺?

 今日、明け方に起きて携帯を見ると1件の留守録が。再生ボタンを押す。
「東京軍管区第○隊○○です。こちらお聞きになりましたら至急ご連絡ください」
時間は北朝鮮の7発目のミサイル発射が確認されてしばらくたってから。*1
 なんだ? 自衛隊の間違い電話か? でも待てよ。自衛隊って建前上軍じゃないし、「軍」管区があるとは思えない。新手の詐欺か? どうなんだろう。

*1:マナーモードにしていたから気付かなかったようだ

半分の月がのぼる空(7)

 本編は前巻でおしまい。今巻と次巻は番外編の短編になるらしい。
 読んでいて思ったのは時系列がわかりにくい事。いくらか読み進んでようやく、本編のあのあたりの話か、と理解できる。
 なぜこのような並び方にしたのか不明。普通に時系列順に並べたほうがいいと思うのだが?
 それとも次の巻の一番最後に雨(後編)をもってきて、雨(前編)との間に他の短編を挟みこもうと考えているのだろうか? でも前編と後編の間の短編が別々の人物の視点で描かれていると効果が薄いと思うし、両者の間に挟む短編をうまく連携させなければ意味がない……。
 そういうわけで、評価は保留。次巻を読まないと正しい評価ができそうにない*1

*1:短編自体はそれなりの出来です。

委員長は承認せず!

 正直言って微妙な出来。以下のような欠点がある。

  1. 導入はいいが、その勢いは最初のみ、後半になると頭落ちになる。
  2. 個別ルート同士どうしが有機的に連結していない。個別ルート同士は、全く別の世界同士と割り切ったほうがいい。
  3. 既読スキップが途中で止まるという不具合あり*1
  4. 場面切り替えで場の空気に合わない効果音が鳴る。

特に4は何とかしてほしい。一気に冷めます。
 良い点は以下の通り。
・キャラクターはきちんと立っている。
・ユニークな舞台設定。
ただし、せっかくキャラクターが立っているのに、それをうまくストーリに生かし切れていない。これは設定に関しても同様。地雷ではないし、凡作というわけでもない。けれども、今ひとつ燃えられないし、萌えられない。良作と凡作の境界に位置する。そんな作品。

*1:パッチを当てれば治りますが、それでもスキップが不意に数秒間停止したりする。

薔薇のマリア(5) SEASIDE BLOODEDGE

薔薇のマリア 5.SEASIDE BLOODEDGE 作者:十文字青
出版社/メーカー:角川書店

 今回の物語の舞台はエルデンではなく、ZOOの面々の旅先であるシェードリーで始まる。そしてこの巻では、ZOOの面々はシェードリーに到着しない。
 結論からいうとこの巻の大半はマリアローズ達がシェードリーに到着する前の抗争*1で占められている。
 新しい登場人物は多い。それらの登場人物の背景や人間関係まできちんと描かれているのはさすが。これにZOOの面々が加わり、どのような人間関係が築かれ、どのような方向に物語が展開してゆくのか? 次の巻が楽しみになる出来。

*1:パンカロ・ファミリーとブラッドテンプルナイツの抗争

薔薇のマリア(4) LOVE'N'KILL

薔薇のマリア (4) LOVE’N’KILL 作者:十文字青
出版社/メーカー:角川書店

 冒頭、一行目から、アジアン(♂)のマリア(♂)*1に対する愛の叫びが全開です。いつものことなので華麗にスルーしましょう。
 内容は異界生物がエルデンにあふれ出すというもの。そしてマリアローズは手強い異界生物に追い回されることになる。
 今回活躍するのが、前巻や前々巻でSIXに加担していたアジアンやフェイヤン(シリアル・キラーズの頭目)、ジンワン(王龍の頭目)。
 フェイヤン*2はどうやらユリカがお気に入りっぽい。そしてジンワンはマリアローズの歯を抜く快感が忘れられずマリアの虜になり、マリアを狙っている*3
 エルデン中に異界生物があふれかえるというのがこの巻における事件なのですが。大騒動のわりに、局所的な描写しかされておらずそれがすこしもったいない。トマトクンや、髭、モラルキーパーズの面々はほとんど活躍しない。
 前巻までの騒動で生き残ったキャラのうち、立ち位置が定まらなかった人物の立ち位置を固定するために書かれた巻という気がする。
 それはそうと、副題がいまいち気に入らない。コテコテのクサくて気障な日本語を副題に用いてこそ薔薇のマリアだと思うのですが。

*1:マリアが生物学的に♂か、個人的には大いに疑問なのですが。

*2:バトル中毒者。ピンパーネルとのバトルを楽しみとしている。

*3:ジンワンは抜歯フェチの性的倒錯者。変なのばっかりに追いかけられるマリアって……。

薔薇のマリアVer0 僕の蹉跌と再生の日々

薔薇のマリアVer0 僕の蹉跌と再生の日々 作者:十文字青
出版社/メーカー:角川書店

 可愛いマリアローズ(♂)×それを追いかけ愛を語るアジアン(♂)……なんか腐女子が好みそうな設定だな。
 導入は迷宮で魔術士コロナ*1のヘマに巻き込まれ危機一髪のところをアジアンに助けられるところから始まる。冒頭からアジアンという腐女子が好みそうなキャラとヲタの好みそうなコロナを出してくるあたりなかなか心得ています。
 まあそれはおいといて、話の内容はマリアの過去とマリアがZOOのメンバーと仲間になるまでの話。マリアの心理描写も良くできている。
 1,2巻の後に出版されたけど、時系列的には、これが一番古い。Ver0という扱いだけど、本編へと直接繋がってゆくしこれを1巻と考えたほうがよさそう。
 1,2巻を読む前に読んでおいたほうがいいと思う。

*1:魔法が使えず失敗ばかりする天然。小さい。外見は十代半ば。他人に迷惑をかけ巻き込む。魔術士なのに剣で戦う。

神曲奏界ポリフォニカ ロマンティク・クリムゾン

神曲奏界ポリフォニカ ロマンティック・クリムゾン 作者:榊一郎
イラスト:神奈月昇
出版社/メーカー:ソフトバンククリエイティブ

 文章に関しては前巻と同じで安定しているが、構成の点で少し物足りなさを感じる。カティオムとシェルウートゥの恋の物語を、主人公のフォロンとコーティ、そして周囲の人間関係へと投射しているのだが、どことなくピントがずれているように思える。
 これはコーティがフォロンの契約精霊であり、二人とも力を合わせて死線を乗り越えなくてはならない関係にあることや、コーティがフォロンの神曲に自ら望んで縛られている事と無関係ではないように思う。
 カティオムとシェルウートゥの関係はまだそこまでは至っておらず、むしろこれからが始まりといってよい。この違いがピントのずれとなって現れている。
 それはそうと、帯が邪魔。帯でコーティの絶対領域を隠すなんて……。コーティの魅力が半減。帯がない方が、明らかに売れると思うのだが。