神曲奏界ポリフォニカ ロマンティク・クリムゾン
作者:榊一郎 イラスト:神奈月昇 出版社/メーカー:ソフトバンククリエイティブ |
文章に関しては前巻と同じで安定しているが、構成の点で少し物足りなさを感じる。カティオムとシェルウートゥの恋の物語を、主人公のフォロンとコーティ、そして周囲の人間関係へと投射しているのだが、どことなくピントがずれているように思える。
これはコーティがフォロンの契約精霊であり、二人とも力を合わせて死線を乗り越えなくてはならない関係にあることや、コーティがフォロンの神曲に自ら望んで縛られている事と無関係ではないように思う。
カティオムとシェルウートゥの関係はまだそこまでは至っておらず、むしろこれからが始まりといってよい。この違いがピントのずれとなって現れている。
それはそうと、帯が邪魔。帯でコーティの絶対領域を隠すなんて……。コーティの魅力が半減。帯がない方が、明らかに売れると思うのだが。