薔薇のマリア(4) LOVE'N'KILL

薔薇のマリア (4) LOVE’N’KILL 作者:十文字青
出版社/メーカー:角川書店

 冒頭、一行目から、アジアン(♂)のマリア(♂)*1に対する愛の叫びが全開です。いつものことなので華麗にスルーしましょう。
 内容は異界生物がエルデンにあふれ出すというもの。そしてマリアローズは手強い異界生物に追い回されることになる。
 今回活躍するのが、前巻や前々巻でSIXに加担していたアジアンやフェイヤン(シリアル・キラーズの頭目)、ジンワン(王龍の頭目)。
 フェイヤン*2はどうやらユリカがお気に入りっぽい。そしてジンワンはマリアローズの歯を抜く快感が忘れられずマリアの虜になり、マリアを狙っている*3
 エルデン中に異界生物があふれかえるというのがこの巻における事件なのですが。大騒動のわりに、局所的な描写しかされておらずそれがすこしもったいない。トマトクンや、髭、モラルキーパーズの面々はほとんど活躍しない。
 前巻までの騒動で生き残ったキャラのうち、立ち位置が定まらなかった人物の立ち位置を固定するために書かれた巻という気がする。
 それはそうと、副題がいまいち気に入らない。コテコテのクサくて気障な日本語を副題に用いてこそ薔薇のマリアだと思うのですが。

*1:マリアが生物学的に♂か、個人的には大いに疑問なのですが。

*2:バトル中毒者。ピンパーネルとのバトルを楽しみとしている。

*3:ジンワンは抜歯フェチの性的倒錯者。変なのばっかりに追いかけられるマリアって……。