狂乱家族日記 参さつめ

作者:日日日[あきら]
出版社/メーカー:エンターブレイン

 狂乱家族日記の参さつ目。文章の評価についてはもはや語るまでもないが、それでも言わせてもらうと、この巻ではライトノベルにありがちな設定の付け加え方に見るべきものがある。設定を説明する設定を付け加えてゆく巧さとでもいうのだろうか。通常の作家では、「それ何の説明にもなってないよ」というツッコミを入れたくなる場面や、激しい違和感に襲われるべき場面で、違和感を感じないのだ。設定を説明する設定がうまく作品世界へと入り込みリンクしてゆく。少しずつ隠された設定が明らかになり、作品の世界観が徐々に広がりをみせてきている。
 だがその一方、狂乱家族としては、凶華と凰火以外の活躍はほどんどない。そこが少しさみしく感じるため弐さつめから☆を一つ減点している。
 今後物語がどの方向に転がり始めるのか期待を持たせる内容になっている。