狂乱家族日記 弐さつめ

作者:日日日[あきら]
出版社/メーカー:エンターブレイン

 積まれている本を崩そうと手に取ったのが狂乱家族日記の弐さつめ。参さつめも積んだまま。早く崩したいが、最近なかなか時間をとれない。日日日は執筆ペースが速いから気を抜くとあっという間に積み上がってしまう。
 それはさておき弐さつめだが、期待に違わぬ面白さ。語り口は相変わらず鋭く、展開や設定は強引にもかかわらず、切れ味は落ちない。
 きちんと読者の望むモノを提供し、枠の中からはみ出すことなく、その枠の中の素材を十二分に生かしきっちりと仕上げる。
 バカバカしくも狂乱さはいっそう増し、盛り上がりどころも著者の計算した通りなのだろう。職人と言っていい出来。
 それもこれも全ては語り口の巧みさ、つまりは筆力によるもの。どんなに無茶な設定であっても語り口が巧みであれば、読者は物語に引き込まれる。その最たる例だろう。
 積まれている参さつめを読むのが楽しみ。