薔薇のマリア(2) 壊れそうなきみを胸に抱いて

薔薇のマリア(2) 壊れそうなきみを胸に抱いて 作者:十文字青
出版社/メーカー:角川書店

 面白い。

 前巻のようなダンジョンに潜ってばかりいるのとは全く異なる展開。さまざまな人物や組織が絡み合い物語が動き始める。

 加虐的殺戮愛好会(SmC)、秩序の番人(モラル・キーパーズ)、昼飯時(ランチタイム)そしてZOO。

 SmCとモラル・キーパーズの対立を軸として、数多の組織が抗争へと巻き込まれてゆく。

 SmCのSIXは反吐が出そうになる典型的な悪役として描かれている。SIXを縛るものは何もない。逆に、義を唱えながらも、さまざまなしがらみが邪魔をして動けない番人。そして昼飯時の頭領としてメンバーを守るべく、仕方なしにSIXに飼われる決断をするアジアン。

 ZOOのマリアローズと、番人のベアトリーチェが巻き込まれた事件を発火点として、皆がこの抗争へと巻き込まれてゆく。
 それぞれの登場人物が何を思い、何を糧にして生きているのかがよく描かれている。