狼と香辛料

狼と香辛料 作者:支倉凍砂
出版社/メーカー:メディアワークス

 電撃小説大賞の銀賞受賞作。
 まず世界の描写がうまい。秋の風景がよく描写されている。人物描写もなかなか秀逸。キャラクターの行動に筋が通っており、それがキャラクターの魅力を引き立てています。ヒロインであるホロに関しては同じような表現が重なる部分もあり、その点が多少気になりましたが、充分許容範囲。ホロのまとうちょっと変わった空気もうまく表現されています。
 古いけれども新鮮でそれでいて良い意味での既視感がつきまとう、そんな感じの物語。
 終わり方に納得いかない部分もあるのですが、十二分に楽しめました。