Tears to Tiara

出版社/メーカー:リーフ

 一年くらい前の作品。久々にLeafの作品でもやってみるかと思って買ってきた。
 難易度がいつくか用意されているのは、親切と感じた。イベント画と立ち絵で、全くと言っていいほどキャラクターの顔の輪郭が変わってしまうのには笑えた。ですがこのゲームの本当の特徴はそんなところにはありません。
 このゲームの最大の特徴は、プレイヤーを置き去りにして勝手に進んでゆく物語にある。始まりからヒロインも悪役も訳のわからないセリフを吐きまくる。しかも登場人物達はハナから異常なハイテンション。とてもついてゆけません。
 シリアスな話だと面白くないから、ギャクのつもりでこんな出だしにしたのか、制作要員が天然ばかりで意図せずこんなゲームになってしまったのか判断に苦しむ。プレイヤーを置き去りにするトンデモ展開は中盤近くまで続く。
 後半になってようやくトンデモ展開がなりを潜め、展開の背景もきちんと描写され、物語に集中できるようになる。それまでは、場の空気を読めないトンデモ展開をいかに楽しめるかが、評価の分かれ目になりそう。ちなみに私自身はけっこう楽しめました。
 「うたわれるもの」のように、きちんと展開を作って、物語を進めている作品ではないので、前半での感情移入は難しいし、後半までやり通せるかは疑問が残る。人によっては、前半でさじをなげるかもしれない。