GUNSLINGER GIRL(6)

GUNSLINGER GIRL 6 作者:相田裕
出版社/メーカー:角川(メディアワークス)

 義体の二期生が入り、物語はいよいよ佳境へと入ってゆくのだろうか。


以下ネタバレあり






 前半は、ジャンやジョゼの過去が明らかになる。そしてそれぞれの義体の持つ盲目的な面が協調される。ジョゼを盲愛するヘンリエッタ。何が起ころうと、何をやろうと今を生きることに全ての喜びを見いだすリコ。彼らが洗脳されておらず、自分で行動し、自分で考え、自らの意志で他人を愛し、楽しみを見いだしたのなら、それはかけがえのないものとして、賞賛されるべきものである。
 後半は、義体の二期生である。ペトルーシェカ(ペトラ)が登場する。彼女はこれまでの義体とコンセプトが異なる。条件付けはフレキシブル。そして担当のアレッサンドロ(サンドロ)は指示を行わなくても、自分で判断し、考え、行動する柔軟な運用を目指しているように見える。これは明らかに一期生とは正反対のアプローチ。
 そうなると今後の展開としては、一期生と二期生を対比させた描写が多くなるのだろうか。担当官の指示に盲目的に従う一期生達。そして二期生であるペトラはどうなってゆくのか。
 一期生の幸せは与えられたものである。では二期生であるペトラは幸せはどうなのだろうか。彼女の幸せは、やはり与えられたものになるのだろうか、それとも自分で見つけ出してゆくのだろうか。
 二期生の義体におけるアプローチが明らかに一期生と異なることや、担当官もいままでの方針とは明らかに異なる(抹殺されたラバロ的な方針と言える)ことを考えると今後語られるのは、その事に関することではないかと思う。
 そして私達の幸せとは何なのだろうか。与えられたものなのだろうか、それとも自分で見つけ出すものなのだろうか。それは本当に自分で見つけたものなのだろうか。
 そして作者はこの作品の中でどのように両者を描いてゆくのだろうか。