お留守バンシー

作者：小河正岳 出版社/メーカー：メディアワークス

　第12回電撃小説大賞受賞作品。
　まず見るべきはキャラクター造形と世界設定。このあたりはしっかりと作ってある。問題点は文章力。素人目にもよたよたとした文体でとても頼りない。そして中盤まで展開に華がない。たしかにキャラクター造形はしっかりしているがなぜこれが大賞をとったのだろうと不思議になるほどの出来である。
　中盤〜後半にかけてようやく面白くなってくる。このあたり笑いとギャグを含んだエロゲ的でなかなかいい。思わず頬がゆるんでしまう。
　文章が頼りないと書いたが、ライトノベルであって小説でないと割り切って読むべきなのかもしれない。それに新人に筆力を期待する私が間違っているのかもしれない。今後に期待。