物語とキャラクター 〜マブラヴ ALTERNATIVEにおける考察〜*1
X-naviやげいむ乱舞界の掲示板、ErogameScapeではオルタネイティヴ*1に否定的なユーザがかなりの割合でいる。大体割合で肯定:否定が6:4程度。一方2chではどちらかというとオルタネイティヴマンセーが多い。2chでは一時期4000レス/dayを超えるほどの賑わいだった。この違いはどこからくるのだろうかと考えさせられる。
一つは、やはり数だろうか。2chでマブラヴクソゲー発言をしてもあっという間にスレが流れされてお終いだ。人も多いし大勢の意見の中に埋没してしまう。一方、げいむ乱舞界やX-navi、ErogameScapeでは2chに比べ人が少ない。発言が流れるまで時間がかかるし、大勢の意見の中に埋没する事もない。少数派にとっては非常に意見を主張しやすい掲示板と言える。
だがそれだけではないように思う。むろんアンチが意見を通しやすいという事もあるだろうが、それよりむしろユーザー層による違いが大きいのではないだろうか。
げいむ乱舞界、X-navi、ErogameScapeともに萌えゲーが市場の支持を獲得するのに時期を同じくして拡大してきたサイトである。萌えゲーにおけるもっとも重要な要素は何か? それはキャラクターにあると思う。
萌えゲーにおいては、物語はキャラクターを魅力的にするための手段であり。そのために物語が語られる。つまりキャラクターが目的であり、物語が手段。キャラクターが主であり物語が従の関係と言える。ToHeartなどがその最たる例だろう。むろんこれらのサイトでは萌ゲーにおける支持は高い。パルフェやToHeart2などはかなり高い評価をうけている。
このキャラクターと物語における関係を逆転させるとどうなるか。つまりキャラクターは物語に魅力を持たせるための手段であり道具と位置付け、目的を魅力的な物語りの創造に置くとどうなるか。それを示したのがオルタネイティヴではないかと思う。
オルタネイティヴでは物語を刺激的にするため、あらゆる方法でキャラクターを道具として用いる。むろんキャラクターが魅力的であればあるほど、道具としての使い勝手がよいからキャラクターを魅力的に描くのは当たり前だが、オルタネイティヴでは物語の展開を刺激的にするため、あえてキャラクターを切り捨てることも行う。これはキャラクターが主、物語が従である萌えゲーでは絶対にやってはいけないことであり、タブーとされる事だ。だがオルタネイティヴでは物語を魅力的にするためであれば平気でキャラクターを道具として用いる。萌えゲーが好きで、物語を従、キャラクターを主と捉えゲームを行う人にとっては、たまったものではない。当然物語への評価は厳しいものになるだろう。こんなのふざけていると思う人が出てきて当然である。萌えゲーの市民権獲得と同時に拡大してきたサイトの住人が厳しい評価を下すのは当然である。
一方、2chは雑多であり様々な人が入り乱れている。物語とキャラクターの主従関係などどうでもよく、面白ければいいという人もいるだろう。物語が目的であり、キャラクターは物語に魅力を与える手段と考える人もいるだろう。すくなくとも萌え市民権の獲得と時期を同じくして拡大してきたサイトよりは、そういった割合の人は多いと思われる。そのユーザー層の違いが、オルタネイティヴというゲームの評価の違いに現れているように思う。
同様に物語が主、キャラクターが従となるゲームとしてSchool Daysなどがある。School Daysもやはり萌え系サイトに住む人々の評価は低いように思う。要するに
という三つの層に分けてエンターテイメントを考えてみることは結構重要なことじゃないだろうか。それと同時に自分が好むゲームがどの領域に多く分布しているか考えてみる。
物語とキャラクターの主従関係、そしてユーザー層。自分がどのユーザー層に属するか今一度考えてみてはどうだろうか。そうすればきっと今後ゲームや小説を選ぶときの参考になるだろう。自分がどういうゲームを好むか。自分では意外にわかっていなかったりするものだ。