神栖麗奈は此処にいる

 一作目同様、絵が無く地味な表紙。着想はよくある系統の作品。こういったカラーの作品を読んだことがなければ、読み始めとして最適かもしれない。



以下ネタバレ






 一章、二章と同じ作りの構成。ここまで読んで、最終章で同じに見せてひっくり返すのだろうと思った。具体的には、そのいくつかのパターンも想像できた。一つは神栖麗奈へと逃避するというパターン。そして逃避しっぱなし。もう一つは神栖麗奈を打ち倒すことに成功するパターン。そして事実四章の最後の四ページまでは予想通りに進んだ。だが、結局四章は、違うとろこに落とすと見せかけて、大まかな作りはそれまでと同じ所へと落とした。そして神栖麗奈は続いてゆく。構成はいい。売り物としては良くできていると思う。
 ★2.5なのは、感染という言葉が同じ電撃の、Missingを思い起こさせる為。その言葉から、Missingの印象を強く引きずるため、本作の世界観に入り込めない。心理学的な事象に名前を与えて擬人化し、Missingのように感染ルールを取り入れたらこうなりましたっていう感じの作品。しかも肝心の文に心理学的誘導が少ない。少し物足りない感じがした。