アルトネリコ

出版社/メーカー:バンプレスト

 巷を騒がせてるAr tonelicoをやった。噂通りやたらとギャルゲ色が強いRPG。いや……RPGの皮を被ったギャルゲと言った方が近いか?*1
 このRPGの主人公、TH2のタカ坊同様、鈍感で優柔不断。それに加え容姿端麗である。こんなヤツが主人公だと、痛い人々から主人公に対する非難の声が上がるのだが、今回はそれがない。それは設定とゲームシステムがそういう感情を起こさせない作りになっている為。
 戦闘を有利に進めるためレーヴァテイル*2[うた]魔法を紡いでもらう必要がある。*3その為にはヒロインにダイブ*4し、ヒロインの心の問題を解決しなければならない。
 当然、そんな事をやっていれば、ヒロインが主人公に惚れるのは当然で、三角関係になろうが、それは自然ななりゆきであり、どうしようも無いことである。さらにそれはプレイヤーが能動的にダイブ屋に行き、ヒロインの精神世界にダイブした事により起こった事である。
 設定上もシステム上も、そうなるように作られておりながら三角関係に陥ろうとも、それはプレイヤーがゲームを進めるにあたり、能動的に選択したことであって自己責任である。非常に狡猾な文句を言わせない世界設定や戦闘システムになっている訳だ。
 とはいってもSchool Daysのようなどろどろの三角関係は無い。それらは精神世界へのダイブにより解決され*5Ar tonelicoの世界には持ち込まれることが無い。三角関係は大歓迎だが、どろどろしたのが嫌という我が儘な人にも安心してお勧めできる。

  • 現実世界で女の子にちやほやされたいが、悲しいかなそんなことはあり得ない。
  • ゲームの中で女の子にもてたい。
  • 人間の女の子は怖いから、できれば人間以外の女の子という設定がいい。
  • 訳が分からずもてるのは嫌だから、それなりの理由付けが欲しい。
  • ギャルゲをよくやる。
  • 意味深なセリフにハアハアできる。*6
  • RPGが好き。
  • 公式ページの世界観が気に入った。

 4つ以上が該当するなら買い。3つだと微妙。2つ以下の人はスルーすればいい。時間のかかるゲームなのでそっち方向の願望が無い人にとっては時間の無駄だ。
 RPGとしての出来はまあまあ。戦闘自体が面倒臭い。魔法発動時のアニメーションを飛ばしたり出来ないなど、システム上の問題点は多い。音楽はなかなかいい*7

*1:やろうと思えばすぐにでも18禁化可能な作品の筆頭だろう。

*2:人間とは違う種族、[うた]により魔法を発動することができる。

*3:新たな魔法を習得する事を紡ぐと言う。

*4:精神世界に入り込むこと。

*5:精神世界での描写をもっと丁寧にしっかり作ってあれば、歴史的な作品になっていただろうに。非常に惜しい。

*6:主人公:「ごめんな、俺、不器用だから……痛かっただろ?」 ヒロイン:「ううん、そんなことない、ライナーに入れてもらえて、私幸せだった」etc……

*7:ゲームミュージックとしては最高峰に位置するのではないだろうか。